トラック運送事業を始めるには?

通販業界が右肩上がりの傾向が続いていて今後も伸びが期待されることや、物流2024年問題が報道にされるようになって、トラック運送業界の人手不足が一般社会にも認知されるようになりました。

ここに商機を見つけて、または副業として運送業を始めてみたいと考える人も多いようです。

 

ただし、トラック運送事業を始めるには国の許可が必要になります。

なぜなら許可が必要になるトラック事業業務は

他人の需要に応じ、有償で自動車を使用して貨物を運送するもの

と法令で定義されているからです。

 

このため自分の物を運んだり、他人の物であっても無料で運ぶのなら許可は不要です。

なお、ここで言う「無料」は、実費を頂くこともダメということです。

 

トラック運送事業の種類

トラック運送事業(正しくは貨物自動車運送事業)は

・普通車を使用する一般(特定)貨物自動車運送事業

・軽自動車とバイクを使用する貨物軽自動車運送事業

の2種類があります。

それぞれ許可に必要となる自動車の条件が違います。

 

 一般(特定)貨物自動車運送事業

 貨物軽自動車運送事業

 自動車

 普通車

 軽自動車、バイク

 必要台数

 5台以上

 1台から

※一般貨物自動車事業と特定貨物自動車事業の違いは「荷主」に関することだけです。

2つは上記の表のように区別されます。

決して上位・下位の関係ではないので、普通車と軽自動車・バイクの両方を使用する予定であれば両方の許可が必要になります。

 

許可申請の違い

一般(特定)貨物自動車運送事業と貨物軽自動車運送事業では許可申請の審査に違いがあります。

一般(特定)貨物自動車運送事業許可は申請内容を3~4か月かけて審査を受けます。この中には資金審査も含まれます。

 

貨物軽自動車運送事業は届出と言って申請窓口で書類審査を受けるだけで、届出した当日に手続きは終了します。

 

事業用ナンバーは貨物自動車運送事業者の証し

許可を取得して貨物自動車運送事業者になると、使用する車両には事業用ナンバーを取り付けることが義務になります。いわゆる緑ナンバーと言われるものです。

※タクシーやバスは貨物ではなく「旅客」の分野ですが事業用ナンバーとして緑ナンバーを付けています。

事業用ナンバーの色は下表のとおりで、軽自動車だけは黒ナンバーです。

 自動車の種別

 色

 普通車

 緑地に白文字

 軽自動車

 黒地に黄文字

 バイク251cc以上

 緑地に白文字に白枠

 バイク126cc以上250cc以下

 緑地に白文字

 

ナンバーの色を見れば貨物自動車運送事業者の車両かどうか一目でわかってしまいます。

貨物自動車運送事業者でないものが運賃を貰って他人の荷物を運ぶことは「白トラ行為」といって無許可行為の法令違反になります。

なお125cc以下のバイク・いわゆる原付1種、2種は貨物自動車運送事業法の規制が及びません。このため125cc以下の二輪で無届に運送業をしても違法にはなりません。

 

どのような業種が一般貨物自動車運送事業許可を取得しているか?

宅配やB to Bの運送業者は必須になります。運賃を貰って他人の物を運ぶ行為は貨物自動車運送事業の許可が必要です。バイク便を始めようとする人も同様です。

 

一般廃棄物・産業廃棄物収集運搬業者が取得していることもあります。産廃等は管轄する省庁・法令が異なるので白ナンバーでも運べてしまうのですが、白トラ行為を疑われたくない事業者さまは取得されています。

 

建設業者さんも取得していたりしています。土砂や建設資材、現場から出た廃材を運んだりするときに必要だからです。自発的に、というよりは元請けさんや発注者さんの意向で取得されている事情が多いようです。

 

霊きゅう車を扱う葬儀業者さんも取得されます。遺族感情としては憤るところですけど法令上、ご遺体は貨物扱いとなるため許可が必要になります。実際には火葬場が自治体施設であるため、自治体が白ナンバーの霊きゅう車の出入りを許さない事情があります。

 

ペットを送迎するサービスも必要になります。「ペットは家族!」という方もいらっしゃるけれど、こちらも法令上、動物は貨物扱いとなるため、運賃を頂くのであれば許可が必要になります。

 

許可取得を判断するための思考チャート

まず許可が必要なのかどうかを考えます。

荷物を運ぶときに

  • 何らかのお金を頂く → 許可が必要
  • お金は一切頂かない → 許可は不要

 

次に使用する車両を決めます。

  • 普通自動車    → 一般(特定)貨物自動車運送事業
  • 軽自動車・バイク → 貨物自動車運送事業

「どちらか」ではなく「両方」という選択も当然あります。

 

普通自動車を使用する場合で荷主が

  • 不特定多数 → 一般貨物自動車運送事業
  • 特定の者  → 特定貨物自動車運送事業

 

このチャートでどの許可取得を目指せばいいか目途がつくと思います。

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