一般貨物自動車運送事業の経営許可を取得する事業者さまは法人さまが多いです。というのも、資金調達をするうえで個人よりは法人の方が融資を受けやすくなるからです。実際、事業をまわすのにけっこう費用がかかる業種なので、お金周りの工面で銀行にお世話になることもあるでしょう。

もちろん事業開始にあたって個人事業主さまもいらっしゃいますが、事業者数が少ないのは事実です。

 

法人成りしてもそのまま許可は引き継げません。

許可を個人事業主で取得した場合で、その方が亡くなったとき、許可取得の身分は相続することができます。けれど、個人事業主から法人成りしたときは無条件で承継できるわけではありません。

個人事業主から法人成りするときは、新法人へ事業の譲渡譲受認可申請をする必要があります。新しい法人は新規許可申請と似たような手続きで許可を譲り受けることになります。

 

許可証を捨てないで

新法人へ譲り渡し譲り受けの認可申請が認められると「認可証」を発行してもらえます。これは許可証にそっくりな見た目です。

でもこれは「認可証」であって、「新しい許可証」ではありません。事業者として許可証を無くすのは問題なのですがコレを勘違いして、許可証ではなく認可証を保管してしまっている事例があります。

気持ちは分からなくもありません。個人事業主=代表取締役が同一人物で、許可と認可はパッと見すると字が似ているしで「新体制で新しい許可証を貰った!」となってしまうのでしょう。

認可証が出るという意味では、法人と法人の合併や譲渡譲受の認可申請でも同様のことが起きうるので注意してください。

運輸局に頭を下げても許可証は再発行されることはありません。

 

許可証再発行の代わりに許可の「証明願」

許可証の保管は巡回指導のチェック項目でもあるので、無いというのも困ります。それで運輸行政には「許可の証明願い」という手続きがあります。

中国運輸局ウェブサイトではダウンロードできないので、中国運輸局だと管轄する運輸支局へ行き窓口で様式を貰います。それに間違いなく記入すれば運輸支局長印をいただいて、証明書がもらえます。

ただし記入項目の①許可番号 ②許可年月日が違っていると形式不備となり戻されます。

※行政書士(代理人)の立場では窓口で教えて頂けなかったのですが、本人であれば教えて頂けるかもしれません。

許可番号も許可年月日もわからなければ情報公開制度を使って中国運輸局へ情報開示請求をして、これらを確認することになります。

 

ちなみにこの証明願いは記入した用紙そのままにハンコを押されるので、手書きで字が汚いとそのまま証明書になってしまうので、出直してPC打ちで出力してから提出するほうが精神的にも良い気がします。

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