巡回指導は定期的に行われます

一般貨物の事業者さまにはおなじみですが、1~3年に一度、巡回指導が行われます。

38項目のチェック項目があり、適正化事業実施機関から2名やってきて帳簿の確認を行います。その成績によってA~Eのランクが付けられて、チェックで引っかかった事項について改善報告を求められます。

巡回指導は前もって実施日が知らされるので、ふつうは連絡を受けてから実施日までの間に帳簿を整理する時間があります。

 

どんなときに行われるか?

巡回指導は前回の成績によって1~3年のペースで行われます。

初回は運輸開始届を提出して2~3か月に行われます。初回巡回指導であってもチェック項目は変わりませんが、目的は「必要な帳簿が揃っているか」がメインになるでしょう。

あとは記帳で必須項目の抜け漏れがないか、労務違反がないかチェックを受けます。

また運輸開始後3年目からトラック協会に申請できる「安全性優良事業所(いわゆるGマーク)」の認証を受ける時になります。審査基準に「1年以内に巡回指導を受けていること」という事項があるので、7月の申請月前後半年の間に行われます。

 

2回目以降は労務に注意

初回はわりと優しめですが、2回目以降は労務のチェックが厳しくなります。トラック運転者の労務管理はきちんと行われているか、違反はないか、帳簿はもれなく記載されているかくまなくチェックを受けます。

運転者に過重労働させることが習いになっていると、それ無しでは事業が回らなくなってしまっている事態になってしまいます。これを適正化しようとした場合、売上が1割程度落ちてしまうこともあります。

 

改善報告とは

巡回指導を受けるとその日のうちに成績が出ます。そしてチェックに引っかかった事項は改善報告を求められます。各事項について「○○を提出してください」ということが求められます。

ところがこのあたりも制度基準を知らないと、違反状態のものを提出したりしてしまうこともあります。このあたりもぜひ知恵袋役を側に置いておきたいものですね。

 

2024年スタートの「トラック運転者の労働時間等の改善のための基準」改正に注意

2022年12月に改正される改善基準が発表される予定です。

この記事を書いてる時点ではまだ正式に発表されていませんが、厚生労働省のウェブサイトの情報を見るかぎり1日の運転時間に係るもの以外は、1時間ずつ短縮になるようです。

また「長距離運行」という考え方も出てくるようです。一の運行が450km以上という条件が付くようなので、時間だけでなく走行距離についても把握する必要がありそうです。

 

新しい改善基準がスタートする2024年に向けて、2022年後半はすこし厳しめに巡回指導が行われているようだと耳にしています。

 

2024年4月から、かねてから言われていたとおり、運送事業者さまにおいては厳しい制度がスタートします。

社内の仕組み作りの備えをしていかないと間に合わないかもしれません。

 

監査について

巡回指導は適正化事業実施機関が行いますが、「監査」という運輸局が行う検査があります。これは巡回指導の上位互換で、巡回指導とは比べ物にならないほど精緻に調査されます。違反が多ければ行政指導にもつながりかねません。

 

日ごとの業務で帳簿の整理や、運転日報の確認・チェックをしっかり行っておきましょう。

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